東日本大震災以降、音楽を通じ、被災地の復興支援を目指す函館の音楽家の会「ソリダリテ」(伊藤亜希子代表)は、コンサート「コンセール・ドゥ・ソリダリテ VOL・13」を12月14日午後2時から、道教育大函館校多目的ホール(八幡町1)で開く。10月中旬に発生した台風19号で甚大な被害を受けた東日本地方を支援する。
同会はピアニストの伊藤さん、ソプラノの次藤正代さんと畑野祥子さんが震災直後に結成。これまで市内音楽家との共演でコンサートを開くなどしてきた。前回は昨年7月、市地域交流まちづくりセンターで開催し、約14万7000円を被害者支援情報センター(ICCDS)へ寄付した。
伊藤さん、次藤さんはともに、台風19号が日本列島を通過した10月14日に函館でリサイタルを開催。各地で発生した被害の様子を見て心の痛む中での本番で、終演後、すぐにコンサートを企画したが、会場の都合で12月開催となった。
今回はピアニスト、畑中一映さんが賛助出演。伊藤さんから出演依頼を受けた畑中さんは「趣旨に賛同したく、機会をいただいた」と快諾。演奏曲目は「ラ・カンパネラ」(リスト)で「復興を目指すのに、鐘が鳴り元気を出していただける曲で選んだ」と話す。
伊藤さんは、函館の作曲家、山本和生(かずい)さんが書き下ろし、10月の第20回リサイタルトで披露した「バラード」、次藤さんはクリスマスに近くなったことで「歌劇『ラ・ボエーム』より 私の名はミミ」(プッチーニ)を披露する。
伊藤さんは「毎年のように大きな災害が起きることは悲しいが、ソリダリテとして(コンサートを)やらなければならない気持ちになる」、次藤さんは「被災した皆さんにボランティアの気持ちを寄せて届けたい」と話している。
入場無料だが整理券(80席)が必要。会場には募金箱を設置し、寄せられた全額を日本赤十字社を通じて寄付する。整理券の申し込みは出演者へ直接、または伊藤さん(090・3774・1447)へ。(山崎純一)