6月26日の「2016函館マラソン」(実行委など主催)で注目の一つが、ランナーが水分や食べ物を補給できるエイドステーションだ。北海道新幹線開業を記念する同大会では、地域の特産品などを用いたさまざまなメニューが各エイドで用意される。その中で、青果卸の中川青果(西桔梗町589、中川隆司社長)は、フルマラソンのエイドで旬の夕張メロンを提供。6月で創業100年を迎え、「100年分の地域への感謝」をお届けする。
フル14キロ地点の第3エイドと、ハーフ・フル共用の第7エイドでバナナとミニトマトを提供。メロンはフル終盤、36キロ地点の第10エイド(緑の島)に並ぶ。
中川社長自身、国内のさまざまなマラソンに参加しており、当日はフルで出走。創業100年を機に、地域への恩返しとしてエイド協力を決めた。
はじめは地元産のイチゴを想定していたが、6月は収穫終了期のため断念。しかし、「夕張メロンのハウス栽培のピークが6月末ごろから」(中川社長)とのことから、赤肉の高級メロンである夕張メロンを提案。実行事務局は「より高価なものを提供してくれるとは思わず、中川社長の懐の深さに大変感激した」という。
27日には、提供の仕方について実行委事務局と協議。夕張メロンは果肉が柔らかくなりやすいため、青い状態で取り寄せて前日のうちにカット、手が汚れないよう一口大にしたものを紙コップに入れて手渡すことにした。ただ、カットの方法で「走りながら食べるには長すぎる」「小さすぎてはコップから出てこない」などと意見を交わし、実際に切って確かめながら、1玉を32分割することで考えをまとめた。
中川社長によるとエイドでメロンが出されるのは大変珍しいといい、函館大会ならではのセールスポイントになりそうだ。中川社長は「人口減少が進む函館を発展させるため、マラソンを活性化の起爆剤にしたい」と期待を込める。(蝦名達也)