函館から密出国して渡米後、京都に同志社大を創立した新島襄(1843~1890年)をしのぶセレモニー「碑前祭」が14日、函館市大町の「新島襄海外渡航の地碑」前であった。日本の将来を憂い、大海原を渡った新島の〝熱い志〟に思いをはせた。
学校法人同志社(八田英二総長)が主催し、函館市が後援。同志社校友会函館クラブ(藤島浩会長)の会員をはじめ、札幌や青森の卒業生ら約20人が参加した。
讃美歌を斉唱し新島の功績をたたえた後、八田総長が「新島の波乱に飛んだ生涯の原点は函館の地にある。新島の熱い志を再確認し、継承し発展させ、今後の同志社の150年、200年の大計に向け渾身の努力を続ける決意だ」と式辞。函館市の谷口諭副市長が「同志社とのつながりを大切にし、新しい令和の時代に交流が深まることを期待する」とあいさつした。
全員でカレッジソングを歌った後、八田総長と谷口副市長が碑前に献花した。
新島が脱国した1864(元治元)年6月14日(新暦7月17日)を記念し、碑は1954(昭和29)年に建立。函館クラブを中心に碑前祭を続けてきたが、2010年から学校法人同志社が主催している。同志社校友会道支部監事の沖浩介さん(60)=札幌在住=は「いい天気で、新島先生の足跡をたどることができて有意義だった」と話した。(山崎大和)