裁判員裁判に参加した一般市民と裁判官、検察官、弁護士を交えた意見交換会が1日、函館地裁で開かれた。昨年、裁判員を務めた3人が経験を通して、参加に苦労した点や評議の進め方について感想を話した。
参加したのは、傷害致死事件を担当した裁判員1人と補充裁判員1人。強制性交等致傷事件の補充裁判員1人。
司会役の橋本健刑事部総括裁判官から改善点などを聞かれると、「職場に裁判員制度を理解してもらわないと参加しにくい」「会社へのPRが必要では」との意見が出た。裁判員を担当した当時、会社に勤めていた70代の男性は「有給休暇を使って参加したが、(有休を消化して参加することに)特に疑問は持たなかった」と話した。
公判や評議の進め方については、「検察側、弁護側から資料が提出されていたので理解できた」との意見があった一方、「議論のペースが速かった。自分の意見のニュアンスが少し違っていたこともあった」との声も。弁護士が「判決に評議の内容が反映されているのか」と疑問を投げかける場面もあった。
今後、裁判員になる人へのアドバイスを求められると、裁判員経験者の女性は「(裁判員に)なる前は迷いがあったが、周りの助けをもらって出てみてほしい」と話していた。(深津慶太)