JR函館駅前の老舗百貨店「棒二森屋」の閉店まで残り100日となった23日、互福稲荷神社がある同店本館屋上が特別開放され、別れを惜しむ参拝客が列をつくった。
商売繁盛にご利益があるという同神社だが、近年はフェンスなどの老朽化に伴い、毎年4~10月の各月12日や、年始などの限られた期間のみ参拝が可能だった。
今回はこの日から始まった格安イベントの一環として開放。大勢が来場し手を合わせたほか、屋上で景色や写真撮影などを楽しむ人も見られ、思い思いに別れを惜しんでいた。市内の非常勤講師、香河正人さん(66)は「子どもの頃に来たことがあって懐かしくて来た。駅前にあったさいかデパートや和光デパートがなくなり、棒二まで閉店すると聞いてとても寂しいし、残念に思う」と話していた。同店は「多くのお客さまから参拝したいとの声をいただいており、可能な限り参拝できる機会を設けていきたい」としている。
同店では25日まで、商品5%割り引きや格安セールを実施しており、引き続き多くの来場を呼び掛けている。(野口賢清)