13~17日に福井市で開かれた第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」に出場したハンドボール成年女子の北海道選抜の塩澤克敏監督(69)が19日に函館新聞社を訪れ、同大会で対戦した岩手県選抜から胆振東部地震の見舞金として受け取った1万5000円を義援金として寄付した。(小林省悟)
道選抜チームは8月の国体予選を優勝したSJC(函館)を中心に、準優勝の北海道倶楽部(札幌)の選手で構成。6日の地震の影響で、最大震度7を観測した胆振管内厚真町在住のコーチが欠場を余儀なくされた。被害の大きかった札幌市清田区にある札幌国際大学の選手らは合流し、12人そろって出場にこぎつけたが、13日の試合は力及ばず16―43で敗退した。
見舞金を受け取ったのは試合後。駆け寄ってきた岩手県選抜の小川至門監督(44)から手渡された塩澤監督は「突然のことで大した言葉が出ず、うまく気持ちを伝えられなかった。自分が同じ立場ならできないと思う。本当にありがたい」と感激した。
岩手県選抜は19~22歳の大学生が中心。北海道での地震を受け、お金を出し合って渡すことを決めたという。小川監督は「(東日本大震災で)被災した時に多くの人からの義援金をいただき、励まされた気持ちがあった。わずかだが、役に立ててほしい」と、震災を経験した選手たちの思いを代弁した。
ハンドボールは春に函館の中学、高校が岩手県に遠征して練習試合を行うなど交流があり、さらに縁も深まりそうだ。塩澤監督は「感謝を込めて年1回はチームで岩手県に行くことを検討している」と話す。小川監督は「北海道は素晴らしいチームなので、機会があれば対戦したい」と話していた。