国の特別史跡・五稜郭跡で箱館奉行所の付属建物「兵糧庫」の特別公開が行われている。五稜郭の築造当時から唯一現存する建物で、4日には展示解説付きの見学会を予定している。
箱館奉行所の指定管理者、名美興業の主催。
土蔵造の建物は、奉行所が開設された1864(元治元年)と同時期に、兵糧庫ではなく、文書や物品の保管庫として建築された。奉行所解体(1871=明治4=年)後も建物はそのまま残った。大正時代には片上楽天が「懐旧館」という箱館戦争の資料館を開いた。1972~73年には解体修理を行い、2001、02年の発掘調査で庇屋があったことが分かり、現在の形になった。
庫内では、発掘調査で出土した遺物や、箱館戦争時に砲撃を受けて函館湾で沈んだ軍艦「朝陽」の竜骨の一部、五稜郭郭内に引かれた上水道の木樋などを展示している。
入場無料で、31日まで毎日午前10時~午後3時に公開。4日午前10時、午後1時から各20分程度、展示解説を行う。問い合わせは同奉行所(0138・51・2864)へ。(今井正一)