【福島】北海道新幹線開業の26日に、町と津軽海峡を挟んだ青森県外ケ浜町で、新幹線の発着を知らせ合う「のろし」上げを行うに当たり、福島漁港内ののろし台で12日、事前練習が行われた。白煙は推定で150メートルほど上がり、外ケ浜町からも確認できた。集まった関係者は安堵(あんど)の表情を見せるとともに、両地域の親交発展に向け、開業日当日への準備に弾みを付けた。
町などによると、のろしは松前藩政時代の参勤交代の際、藩主の津軽海峡の渡航成功を知らせる合図として使われたとされる。1998年には同区間のフェリー運航再開に合わせ、古文書などを基にのろし台を復元。同様の記念イベントが開かれている。
開業日ののろし上げは、町の実行委とあおもり松前街道推進協議会が実施。事前練習には実行委メンバーや町民ら約20人が参加し、青森側でも県庁職員が白煙の上がりを見守った。
高さ3・5メートルののろし台内には木材がくみ上げられ、コンプレッサーで空気を送り込みながらスギの葉やマツを燃やして、煙を発生させた。風で煙が流されることもあったが、町内の丸山(標高308メートル)の半分ほどまで上がっているのを確認。約30キロ離れた外ケ浜町から煙を確認したとの連絡が入ると歓声が上がった。
のろしは上り新幹線の発着に合わせ、町は26日午後0時57分、青森側が同1時35分にそれぞれ上げる。実行委員長の渋谷悟史さん(33)は「とりあえず一安心。本番もきれいな煙を上げたい」と意気込みを語った。(蝦名達也)