NPO法人函館アフリカ支援協会の理事長を務める中川俊男さんが今月9日で70歳の古希を迎え、20歳の時から続けてきた献血活動を終えた。誕生日直前の同6日に赤十字血液センター函館事業所(日乃出町)で最後の成分献血をして、初献血から50年間で通算回数は254回となった。
献血には全血(200、400ミリリットル)、成分(血漿、血小板)があり、開始年齢は種別や性別で異なる。年齢の上限は69歳まで(女性の血小板のみ54歳まで)で、65歳以上は64歳までの献血経験が必要。年間の上限回数や献血の間隔にも決まりがある。
1948年生まれの中川さんは元中学校長。学生時代に初めて献血し、「若いころは気が向いた時に年1~2回は続けていた」と話す。函館赤川中学校勤務時代には、美原にあった献血ルーム(開設期間92~2000年)に定期的に通うようになったほか、桧山管内勤務時は移動献血車が訪れた時に協力。退職後は同センターで成分献血を年間10回程度行ってきた。
献血後に自宅に送られてくる検査結果を健康管理の指標として役立てていたという中川さんは「おいしくお酒を飲むためにも肝機能の数値を気にしてきた。幸い病気もなく、70歳まで献血を続けてこられたのも管理栄養士でもある妻のおかげ。健康に産んでくれた母にも感謝したい」と話す。
同センターによると、日常的に献血に協力してくれる世代は中高年層が多く、若年層への普及が課題。若年人口が減少している中で高齢化の進展は血液不足とも直結する。同センターは「高校での献血セミナーや若い人への協力呼び掛けに力を入れている」とする。
中川さんは「若い人にはどんどん献血に協力してもらいたい。これからも何らかの形で献血のPRに協力していきたい」と話している。(今井正一)