【知内】民間で飼育する犬を「嘱託警察犬」として認定するための審査会が15日、町ファミリースポーツ広場(重内)で開かれた。犬が飼い主と共に参加し、足跡の臭いをたどり、遺留品を見つける審査に挑んだ。同本部内で審査した後、合格した犬と指導手は9月1日付で嘱託を受ける予定。(深津慶太)
道警函館方面本部鑑識課の主催。犬は人間の3000~6000倍の嗅覚があるとされ、道警では警察犬として犯人や行方不明者の捜索、麻薬などの判別などに活用している。
民間の訓練士などが飼育している犬は1年ごとに審査を受けて合格すれば、嘱託警察犬の認定を受ける。昨年は同本部管内で警察犬を活用した捜査12件のうち、嘱託犬が8件に関わった。
この日は現役の嘱託警察犬6頭を含め、1~9歳の犬10頭が参加。審査員役の警察官が芝生の上をジグザグに歩き、途中で審査員の臭いが付いた木片などを落としたコースを設けた。制限時間の5分以内で、1頭ずつ足跡をたどり、2カ所で遺留品を見つけられるかをチェックした。
審査会は飼い主を指導手として認定するかどうかも審査。犬への号令の出し方などを評価した。
江差町の訓練士、大沼由二さん(54)は25年ほど嘱託警察犬の飼育を手掛け、今回は6頭のシェパードと参加。「最近は認知症による行方不明者の捜索も多い。嘱託を受ければ、一刻でも早く見つけられるよう頑張りたい」と語った。
シェパードが9頭いる中、1頭だけ柴犬の姿も。柴犬のマル(4)と初めて参加した七飯町の主婦、川口麻由美さん(57)は「警察犬募集のポスターを交番で見かけて参加した。想像以上に難しい試験だったが、来年も挑戦したい」と話していた。
同本部鑑識課の山田直樹課長補佐は「捜査に協力してくれる警察犬の存在は貴重。推奨する犬種はあるが、どの犬でも参加できるのでぜひ挑戦を」と呼び掛けている。