2018函館マラソン(7月1日)に向け、前夜祭が6月30日、函館―青森航路で定期運航していた高速フェリー「ナッチャンWorld」(1万549トン)の船内で開かれることが分かった。定員450人で、船内で翌朝まで休憩できる。ホテル不足の解消に向けた新たな取り組みで、多くのランナーが大会に参加できる環境が整う。
イベント会社「クオラス」(東京)と海運大手のリベラ(広島県呉市)が主催。前夜祭(午後7時半~同8時半)は函館出身のタレントで、ゲストランナーの福島和可菜さんによるトークライブがメインで、参加費は一人6500円。翌朝(7月1日午前8時)まで船内でマットレスを使い、横になって休むことができる。寝袋を持参でき、1個2000円で販売も行う。毛布などリネンセットのレンタル(2000円)もある。
駐車場は、津軽海峡フェリー函館ターミナル(函館市港町3)隣接地で、6月30日午後5時~7月1日午後5時に利用可。天然温泉七重浜の湯(北斗市七重浜8)の入浴1回券が付く。フェリーターミナル―七重浜の湯間の往復シャトルバスを運行。また、7月1日朝はフェリーターミナルから市千代台公園陸上競技場までの片道シャトルバスを無料で運行する。函館マラソンに協賛する北海道コカ・コーラボトリングのドリンク1本もサービスする。インターネット上の「JTBスポーツステーション」を通じ申し込む。
道内マイカー組の参加を促そうと、函館マラソン宿泊問題解消策検討会議で、宿泊対策として高速船利用を導入する方向で議論が進んでいた。実行委は「駐車場もあり、道内ランナーには魅力的ではないか」としている。
同船は08年に東日本フェリーが青函航路に投入したが、原油高騰に伴う燃油高を受けて同年限りで定期運航から撤退。その後、リベラグループの津軽海峡フェリーが不定期で運航を行っていた。現在は防衛省との間で、自衛隊の訓練や大規模災害などの有事の際に隊員や物資の輸送に利用する契約を結んでいる。
一方、エントリー開始から4日目(23日現在)の申し込み状況(入金ベース)は、昨年同期比1割減の約4100人。函館市内からの申し込みが昨年は2241人あったのに対し、今年はまだ約800人(36%)にとどまっている。今冬の積雪の多さから歩道の平坦性が確保されておらず、十分な練習環境が整っていないため参加意欲が減退しているとみられる。既に東京、神奈川、埼玉、青森、千葉、宮城、愛知など43都道府県からエントリーがあり、海外からのエントリーも昨年の61人に対し、今年は76人と既に上回って好調だ。(山崎大和)