第14回熱帯植物園春祭り「春よ来い!」(NPO法人函館エコロジークラブ主催)が11日、函館市熱帯植物園で開かれた。市民をはじめ、サル山の温泉目当てに多くの外国人客も来場する中、国の重要無形民俗文化財に指定される見通しとなった「松前神楽」や函館巴太鼓ジュニアの子どもたちによる力強い演奏などを楽しんだ。
松前神楽は1月に文化審議会が無形文化財に指定するよう答申した。同イベントに毎年出演している松前神楽函館連合保存会(大橋東城会長)からこの日は9人が参加。大橋会長は「3月に国指定の文化財となるが、これからも地域に根ざした神楽として愛されるように各地で披露したい」とあいさつした。
この日は、雌雄の鳥の冠をかぶり、五穀豊穣を願う「二羽散米舞(にわさごまい)」や「千歳(せんざい)」などを披露。獅子舞では会場に飛び込み、来場者の頭をかみ歩き、中には全力で泣き叫ぶ子どもの姿も。外国人観光客らも熱心に動画を撮影するなど、地域の伝統文化に関心を持った様子だった。
このほか、巴太鼓は息の合った演奏で会場を楽しませ、函館裕人会による三味線演奏も行われた。来場者にはつぼみを膨らませたサクラの剪定(せんてい)枝が配られ、春の息吹を感じながら、イベントを楽しんでいた。(今井正一)