縄文の魅力や歴史的意義を全国に発信する「縄文シティサミットinはこだて」(実行委主催)が11日、函館アリーナで開かれた。基調講演やトークセッション、パネル討論を通じ縄文を生かしたまちづくりのヒントを探った。
大船、垣ノ島両遺跡がある函館市や青森市など、全国16市町でつくる「縄文都市連絡協議会」が持ち回りで開いており、函館開催は2006年に続いて11年ぶり2回目。この日は250人が参加した。
縄文研究の第一人者で国学院大名誉教授の小林達雄さんが「日本人の中の縄文」と題し基調講演。縄文土器について「器でありながら突起やウエーブが付いており、縄文人の世界観を表現している」と指摘。自然と共生し、1万年も続いた縄文時代は世界史でも類を見ないと強調した。
世界遺産に造詣が深い俳優の中山卓也さんとタレントの加藤るみさんによるトークセッションでは、縄文の魅力について中山さんが「足形付土版に象徴されるように縄文人は優しかった」、加藤さんは「釣り針に返しが付いており、魚が逃げないように工夫を凝らしていたところに感動した」と話した。
このほか、函館市、青森市、伊達市、洞爺湖町、鹿角市、北秋田市、東松島市、糸魚川市、塩尻市、小矢部市の10市町代表が「縄文の国際観光に向けた戦略」をテーマに討論を重ねた。(山崎大和)