船員を養成する、独立行政法人・海技教育機構(横浜市)の練習船「大成丸」(3990トン)が12日午前10時ごろ、函館港西埠頭(ふとう)に着岸した。函館・近郊出身の実習生3人も乗っており、岸壁には到着を見守る家族の姿が見られた。
同船は、全長91・28メートル、全幅15・5メートル。船橋からの視界や操縦の感覚を国内の貨物船に近づけるため、同機構の練習船として初めて船橋を中心部に配置した。
今回は免許取得に必要な9カ月の実習のうち最後の3カ月間で、全国各地の船員教育機関の学生ら109人を乗せて5日に東京を出航、最初の寄港地である函館に到着した。
道南出身者は、いずれも函館水産高校出身の加藤桃香さん(19)、田中輝(ひかる)さん(19)、阿部光(ひかり)さん(20)が乗船。宮古海上技術短大(岩手)に通う孫の加藤さんを出迎えた住吉町の杉山壮一郎さん(76)は「会えるのが楽しみ。体が心配だが無事に終えられるよう応援している」と話していた。
同船は17日午後2時ごろに函館を出航し、大阪、神戸、宇野(岡山)、名古屋を経て東京へ戻る。(三好若奈)