3連休最終日の18日に台風18号が道南を直撃し、函館発着の交通機関が大幅に乱れたことで多数の旅行客の足に影響が出た。にぎわうはずの市内の観光地は閑散としたほか、各所で予定されてイベントは中止や延期が相次いだ。
この日の午前中、新函館北斗駅は北海道新幹線の運行再開を待つ利用客に加え、欠航となった飛行機やフェリーから切り替えて本州に向かおうとする大勢の旅行客が詰め掛け、大混雑した。みどりの窓口の前は切符を購入、変更する客で一時100人以上が列を作った。
家族と旅行で函館を訪れ、フェリーで帰る予定だった青森市の自営業高坂仁さん(65)は「欠航だと知って新幹線で戻ることにした。料金は高くなるし、青森駅から車を停めてあるフェリー乗り場に行かなければならず、踏んだり蹴ったり」と不満顔。
札幌行きの特急も終日運休となり、道央に向かう利用客も足止めを食らった。夫と新千歳空港から神戸に戻るはずだった神戸市の主婦戸田朗子さん(60)は、急きょ新幹線を乗り継ぐ行程に変更。「何時間かかるかと考えただけでもぐったりします」とため息をついた。
一方、普段はにぎわいを見せる函館朝市は悪天候の影響で人通りが少なく、恵比須屋食堂の井上敏廣店長は「早朝はかなり売り上げが少なかった」と話した。
敬老の日に合わせ、高齢者を対象としたイベントを予定していた町会も多かったが、参加者の安全を考慮して石川町会や桔梗西部町会などが中止を決めた。函館アリーナで行われる予定だった函館マーチングフェスティバル(函館地区吹奏楽連盟主催)も開催が取り止めとなった。
オーシャンスタジアムで予定されていた秋の高校野球函館支部予選の代表決定戦は、前日に順延を決定。19日午前10時からAブロック、午後0時半からBブロックの試合が行われる。(山田大輔、小川俊之)