合同会社「箱バル不動産」(蒲生寛之代表)は、函館市末広町で12月オープン予定の商業ビル「大三坂ビルヂング」の改修事業で、クラウドファンディング(CF)による資金協力を呼び掛けている。宿泊施設部分の改装費約1700万円のうちの300万円を目標額に設定し、2日現在、約147万5000円に達している。蒲生代表は「プロジェクトに共感いただける方はご支援をお願いします」と呼び掛けている。
1921(大正10)年建築の「旧仁壽生命函館支店」の旧事務所・土蔵棟(伝統的建造物指定部分)と、住居部分を再生する事業。既にレストランなどの入居が決まり、土蔵部分の活用者を募集中。旧住居部分は改装後、個室と相部屋(ドミトリー)の全4室からなる小規模な宿泊施設となる。
宿泊施設は、ホタテ貝殻の入ったしっくいや道南スギの床張り、古材を使った家具づくりなど、DIYに関心のあるボランティアの協力も得ながら改装が進められている。ビルのオープン後は、地域の人と旅人が交流することで、新たな暮らしを見つけたり、見詰め直したりできる「町に開けた空間」を目指している。 蒲生代表は「伝統的建造物を身近に感じてもらい、観光地としてだけではなく、西部地区に暮らすことの魅力も発信する場所にしていきたい」と話している。
CFでは、目標金額に達しない場合はすべて返金される方式を採用。5000円からの支援金額ごとに返礼品も用意。例えば宿泊券や西部地区で販売されるパンや水産加工品、オリジナルグッズのほか、まきストーブを使い始める日に予定する火入れ記念パーティー(11月25日予定)への招待など特別な権利も設定した。
8月31日午後11時まで受け付ける。申込先は「箱バル クラウドファンディング」で検索。銀行振り込み希望者は蒲生代表(090・9301・7372)へ。(今井正一)