函館開発建設部は28日、南米原産で強い毒を持つ「ヒアリ」の侵入・定着を防ごうと、函館港港町ふ頭コンテナヤード(CY)で舗装のひび割れをふさぐ緊急対策工事に着手した。
国内でヒアリは、5月に神戸港で初めて確認されて以来、名古屋、大阪、東京、横浜、博多と貿易港で確認されており、今月27日には福岡市内でコンテナ作業員が刺される被害が発生している 国土交通省は中国などと定期航路を持つ、函館港を含む国内68港湾すべてでヒアリの生息環境となりうるCYの舗装の隙間を埋める作業を実施することを決めている。
港町ふ頭CYは、民間の係留施設を除くと函館港で唯一、海外からのコンテナが集積保管される場所となっており、中国、韓国から国内の港を経由したコンテナが集まる。
工事ではCY内の舗装のひび割れが路盤に達している箇所などに作業員がアスファルト系の注入材を流し込んでふさいだ。函館開建函館港湾事務所の光成真也第1工務課長は「ヒアリが定着しないよう、水際での対策を施していきたい」とし、市港湾空港部管理課の氣田聖大課長は「環境省と協議・連携をしながら、あらゆる可能性を想定し、万全な対策を取る」と話していた。(大谷健人)