陸上自衛隊第28普通科連隊と道警函館方面本部は10日、陸上自衛隊函館駐屯地と近隣の公道で共同訓練を行った。武装工作員やテロなどに備える治安出動を想定し、連携強化を図った。
函館での共同訓練は4年連続5回目で、公道では初めて。これまでの訓練を踏まえて、より実践に近い形で課題を探り、市民への周知も兼ねたという。
訓練は、仮想敵国を特定せず、市内でテロ行為が発生して国から自衛隊に治安出動が発令されたことを想定。無線を使い、警察車両が先導する形で自衛隊車両が現場に向かう流れを確認した。
公道では、警察車両がサイレンを鳴らさずに赤色灯をつけて対応。高機動車や装輪装甲車など計8台が函館競輪場と函館少年刑務所付近の約4キロを走行した。駐屯地内では非公開で共同検問や鎮圧などの訓練も行った。
自衛隊と道警は「実際に公道で訓練することで、これまで気づかなかったことが見えて課題として対応できると思う。互いの緊密な連携に向けて来年も共同訓練を行いたい」としている。
自衛隊と道警の公道での共同訓練は、千歳市など道内で行われている。(田中陽介)