【木古内】佐女川神社の寒中みそぎ祭りは最終日の15日、みそぎ浜で海中沐浴(もくよく)が行われた。水ごりの鍛練で身を清めた行修者4人がご神体を抱きながら津軽海峡の海に飛び込み、1年の豊漁と豊作を祈った。
同神社で2日間の鍛練を終えた行修者は儀式の後、白装束をまとってみそぎ浜へ向い、午前11時50分すぎ海中沐浴を敢行。下帯姿でそれぞれご神体の別当、稲荷、山の神、弁財天を持ち、「いくぞ」の掛け声で水温6度の海水に飛び込んだ。
海中でご神体を清め、最後は互いに海水をかけあい、沐浴を終え、大勢の観客の拍手を浴びた。その後、水ごりを披露。行修者が観客に向かって桶にくんだ水をかけ、観客も「ご利益だ」と喜んでいた。
全国の奇祭巡りが趣味というさいたま市の早野幹男さん(52)は「厳しい寒さと戦い、伝統に向き合う若者の姿に感動した」と話し、毎年来場している函館市の茎沢昇さん(72)は「何度見てもすごい。今年は好天に恵まれ、人出も多く盛り上がった」と笑顔を見せていた。
この日は、近くのみそぎ公園で祭りを盛り上げる「寒中みそぎフェスティバル」も開かれ、町内外から約4500人が来場した。はこだて和牛を使ったメニューなどが味わえるグルメ魅了フェアや景品の当たる抽選会などが行われ、こちらも盛り上がった。(鈴木潤、神部造)