【北斗】上野―札幌間を往復し昨年8月に役目を終えたJR寝台特急「北斗星」の客車を保存する計画が、北斗市茂辺地地区で進んでいることが分かった。旧茂辺地中学校グラウンドが有力候補地として浮上しており、実現すれば「地域活性化につながる」と歓迎の声が上がっている。
市内の若手商工業者ら約30人でつくる「『北斗の星に願いを』プロジェクト推進委員会」(澤田導俊代表)が主体となって活動。当初は北海道新幹線の新函館北斗駅前公園での保存を考えたが、市との協議で用地が確保できず断念した。
協議の結果、茂辺地地区の市有地を使えるめどが立ち、今後、中学校グラウンドも含め具体的な場所の選定に入る。札幌の苗穂工場に運ばれた北斗星の客車は、2両が今春まで残っている見通しで、無償譲渡の内諾をJR北海道から得ている。
しかし、輸送費や維持管理費に約1000万円掛かるといい、客車保存を実現する上では資金面の問題も大きい。そこで、同団体はプロジェクト資金をインターネットを通じ多数の支援者から集める「クラウドファンディング」の手法を活用、今月中に募集を開始する。
澤田代表(36)は「もともと北斗星が走っていた沿線に置くので、一番ストーリーがあってマッチする。市場や飲食店として活用したいという地元の意向もあり、住民と協力して実現できれば」と話す。茂辺地町内会の山本昭宣会長は「地域活性化の大きな起爆剤になる」と期待を込める。(山崎大和)