台風10号接近の影響で北海道新幹線や在来線が30日午後から相次いで運休となったため、JR函館駅は切符の変更や払い戻しをする客らで混雑した。また、函館市内のホテルでは足止めを食らった旅行客の予約対応などに追われた。
同駅のみどりの窓口の前には一時200人以上の長蛇の列ができた。千葉県から夫婦で函館を訪れ、新幹線でこの日戻る予定だった公務員の市原喜郎さん(54)は「切符を変更するためにもう3時間くらい並んでいる。今日は函館でもう一泊して明日の新幹線で帰ります」とぐったりした様子。
札幌から在来線と新幹線を乗り継いで秋田に向かうはずだった札幌市の主婦佐藤アサコさん(70)は、「用事があってどうしても今日の列車に乗りたかった。どうしていいか途方にくれています」と困惑していた。
同駅前でビジネスホテル2棟を運営する東横インによると、「函館駅前朝市」(大手町22、260室)と「函館駅前大門」(松風町5、143室)のいずれも満室の状態。台風の影響で函館入りできない予約客のキャンセルが発生する一方、足止めされた客からすぐさま新たな予約が入る状況が続き、担当者は「キャンセルと予約の電話対応に追われている」と話す。
ホテルテトラ函館駅前(若松町19、84室)でも、当日予約が10件以上あったといい、「台風の影響を感じている」としている。(山田大輔、野口賢清)