【北斗】箱館五稜郭祭実行委は22日、箱館戦争で旧幕府軍が箱館へ敗走するきっかけとなった「矢不来の戦い」(1869年)と、この戦いで旧幕府軍の指揮を執った大鳥圭介らを紹介する円筒形モニュメントを、矢不来天満宮(北斗市矢不来138)に設置した。
矢不来の戦いは、同(明治2)年4月29日、木古内で合流した新政府軍が補給を整え、1600人を率いて、旧幕府軍450人が待ち構える矢不来段丘(現・矢不来天満宮)を攻撃。旧幕府軍は、多数の死傷者を出し、この戦いに破れたことで大鳥は有川(現・北斗市中央)まで撤退を余儀なくされた。
解説文を担当した市教委の時田太一郎学芸員が「雌雄を決する総力戦、拮抗を破る運命の砲弾」と題し、最新の研究成果を反映した両軍の詳細な現況図を掲載した。「生と死とがまさに隣り合わせで交錯する中、ついに運命の一弾が春日艦より放たれる」とし、同艦が撃った重さ約30キロの砲弾が矢不来台場を陥落させた様子を表した。
市内の同様のモニュメントは「二股口の戦い」のJR新函館北斗駅前、「日本初の星形城塞」の戸切地陣屋跡、「大野口の戦い」の意冨比神社(おおひじんじゃ)に続き4基目。
中村卓司宮司は「この地にまつわる史実を知ってもらうきっかけになれば。境内を訪れ、歴史を感じてほしい」と話している。(佐藤由紀彦)