函館商工会議所主催の「第9回北海道新幹線地域活性化フォーラム」が5日、ロワジールホテル函館で開かれ、同会議所会員や行政関係者ら約100人が出席した今回は道内と東北のシンクタンク4団体でつくる「新幹線ほくとう連携研究会」との共催で、同研究会のメンバーがこれまで取り組んできた北海道・東北地域連携促進のための新幹線利活用策について発表した
同フォーラムは、来年3月26日の北海道新幹線開業に関する地域の課題について、関係団体が意識の共有を図り、一丸となった地域づくりを目指す目的で、2008年から開催している
札幌医科大医学部細胞生理学講座の富瀬規嗣教授は「地域の救急搬送ツールを増やす必要がある中、新幹線車両に救急ベッドを設置することで都市部の総合病院への患者輸送がスムーズになり、救急車不足に対応することができる」と医療面での活用を提案東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授は、北陸新幹線の事例を挙げ「開業効果といえば観光面だけを考えがちになるが、新幹線は地域住民の通勤や進学などにも大きく影響を与える生活する人たちの日常の部分にも注目をしてもらいたい」と説いた
このほか、北海道二十一世紀総合研究所の高橋功主席研究員が「北海道新幹線開業による効果と課題」、室蘭工業大学地域共同研究開発センターの片石温美准教授が「新幹線を活用した新たな荷物輸送」、北大公共政策大学院の石井吉春教授が「北海道新幹線による新たな広域交流の可能性と課題」をテーマに発表した(金子真人)