元京大原子炉実験所助教で、40年以上にわたり反原発を訴える小出裕章さんが1日、カトリック宮前教会で講演した大間原発(青森県大間町)の問題点にも言及し、「30キロという距離に住む皆さんには、危険性を踏まえ、心して考えてほしい」と語った
大間原発の建設に反対する市民グループ「大間とわたしたち・未来につながる会」(野村保子代表)が主催約200人が聴講した
小出さんは1950年代、日本が国を挙げて原発を推進した経緯を説明しながら、「海外が70年代にリスクに気付いて撤退を開始した一方で、日本国民は“幻の夢”に酔い続けた」と指摘福島第一原発事故により、今も放射能汚染に苦しむ住民や原発作業員の現状を語った
その上で「原発の暴走を許した大人は、責任のない子どもたちを被ばくから守らなければならない」と強調「高度な汚染を受けなかった私たちがすべきなのは、福島を決して忘れないこと」と呼び掛けた
また、大間原発が世界で初めてフルMOX燃料炉となることに関し、「日本は他の原発で分離したプルトニウムを、長崎原爆4000発分に相当する48トン保有しており、世界から危険視されている大間はプルトニウムを燃やすための原発だ」と訴えた(稲船優香)