函館市西部地区の伝統的建造物の魅力を音楽とともに伝える「2015でんけんコンサート」が10月31日、函館カトリック元町教会聖堂で開かれたバイオリンとチェンバロの美しい音色が会場を包みこんだほか、公立はこだて未来大の学生が制作した映像作品も上映され、伝建への関心を深めた
市伝統的建造物群保存会(小林敏夫会長)が主催し、今回で12回目同会は設立25年の節目を機に、若い世代への啓発を目的に初めて同大と協力した
例年を上回る約310人が来場映像には伝建所有者が建物に抱く思いや、多くの観光客が訪れる西部地区の街並み保全のため、今後も継承しようという姿が映し出された
演奏会は函館出身のバイオリン奏者、烏野慶太さんと箱館バロック合奏団代表の森洋子さん(チェンバロ)が出演フレスコバルディの「パッサカリアによる100のパルティータ」やタルティーニ作曲のバイオリンソナタト短調「悪魔のトリル」などが披露され、来場者は美しい音色に聴き入った
市内の保育士、秋田文奈さん(32)は「函館には建物や音楽など魅力がたくさんあると実感した町の歩き方が変わりますね」と笑顔を見せた(蝦名達也)