介護施設などでのボランティア活動に対し、換金できるポイントを付与する函館市の「介護支援ボランティアポイント事業」の開始から、10月で1年を迎えた65歳以上の市民がボランティアとして登録し、自分の都合に合わせて無理なく、生きがいを感じながら活動を続けている
同事業は高齢者の社会参加や介護予防を推進する狙い自らの特技や経験を生かした活動を通じて施設利用者と交流する活動内容は食器洗いや掃除のほか、話し相手になったり一緒に体を動かすなどし、介護の知識がなくても気軽に行えるものが多い
活動時間に応じてポイントがたまる仕組みで、1時間ごとに1ポイント(=100円)付き、1日2ポイントまで1~12月で年間50ポイントまで換金できるボランティアを受け入れる市内のデイサービスセンターや特別養護老人ホームは、9月末時点で97カ所事業開始から4カ所増加しており、市保健福祉部高齢福祉課は「事業の周知は一定程度されている」とする
高齢者介護複合型施設のライフプレステージ白ゆり美原(美原2、越尾賢施設長)には8人のボランティアが通う事業開始から活動している佐々木礼子さん(70)と永川總子さん(71)は「前向きに過ごす方々と接し、『私たちも80、90代になっても元気でいよう』と励みになる」と口をそろえる
同施設では1月から150ポイント近くためている人もいるといい、ほぼ毎日ボランティアが訪れている永川さんが「生活にめりはりが生まれた」と話すように、ライフスタイルの一環として活動を楽しむ声も上がっている
一方、事業参加に必要な研修会を受けボランティア登録した187人のうち、実際に活動しているのは62人(9月末現在)市は当面現状維持で事業を進めるが、積極的な活動参加を課題とし「ボランティアや施設側の意見を吸い上げ、事業に取り組みやすいよう改良し、長く継続させていきたい」(同課)としている市は11月20日に本年度2回目の研修会を開催する予定で、1人でも多くの参加に期待している(蝦名達也)