北大大学院水産科学研究院の桜井泰憲特任教授(64)=海洋生態学=が、新刊「イカの不思議季節の旅人・スルメイカ」を出版した青森県営浅虫水族館(現あさむし水族館)でスルメイカの飼育実験を始めて30年を機に、初めて研究成果を書き下ろしたスルメイカの一生の謎を丁寧に解説している
スルメイカ研究の第一人者として知られる桜井特任教授は長年北大で教べんを執り、その生態と資源変動のメカニズムを明らかにしてきた
今回は構想から出版まで1年かけて作り上げ、写真や図表をふんだんに使い、イカに携わる人にとって必読の一冊となった全6章からなり、最後に「おわりに」が付いているイカの寿命や漁火に集まる理由、鮮度保持の秘策など「イカに関して日ごろ不思議に思っていることがたくさんあり、それに答える形で書いた」と桜井特任教授中学生でも読める分かりやすい内容に仕上げた
人工ふ化させたスルメイカ幼生を世界最長となる10日間生存させることに成功したことも記し「次は幼生が何を食べて大きくなるのか解明したい」と意欲を示す
11月8~14日に函館で初開催される国際頭足類学会シンポジウムとワークショップも控えており「研究はまだまだ続く」と意気込んでいる
B6判、208ページ1620円、道内の書店で扱っている(山崎大和)