函館市は2014年度の各会計決算をまとめた一般会計は前年度より約11億6000万円多い26億7901万円の黒字で、過去最高となった特別会計は国民健康保険事業、自転車競走事業(市営競輪)の2会計、企業会計では病院事業で赤字となったが、全会計連結決算は62億4273万円の黒字となった
一般会計の歳入は前年度比2・4%増の1375億9270万円、歳出は同1・6%増の1348億5149万円で、基金を取り崩すことなく黒字を確保した
主な歳入の内訳は市税が同9220万円増の325億8636万円地方交付税は同1億127万円減の357億9840万円で、歳入全体では当初見込みを約9億9000万円を上回った自主財源の割合は34・6%で、前年度比0・3ポイント減少した
歳出では、人件費は同2億441万円増の179億9161万円扶助費は同2億2085万円増の391億7253万円で、生活保護費は6369万円減少したが、障害者自立支援給付費などが増加した歳出全体では、経費節減に伴う不用額の発生などで16億8600万円の抑制につながった
特別会計(9会計)では2491万円の黒字自転車競走事業は5億2060万円の赤字だが、単年度では5566万円の黒字で赤字幅を圧縮した国保会計は単年度で2億705万円の赤字に転じ、累積赤字額は3億3869万円となった企業会計全体では36億3526万円の黒字病院事業会計でドクターヘリの運航に向けた市立函館病院の改築工事が患者数の減少に影響したため、9億438万円の赤字となった
財政健全化法における各公表指標では、実質赤字比率、連結実質赤字比率は黒字決算のため数値はない標準財政規模に対する借金の割合を示す実質公債費比率は前年度より0・8ポイント改善となる7・9%で早期健全化基準の25%を下回る将来負担比率も3・7ポイント改善し、73・3%だった資金不足比率は赤字の病院事業会計で5・3%となった
市財政課は財政の見通しについて「函館アリーナ建設など大型事業は終わったが、国勢調査に伴う人口減少や今後の消費増税の影響があり、見通しは厳しい」としている(今井正一)