函館市がプレミアム付き商品券を発売してから約1カ月が過ぎた市内の百貨店やスーパー、飲食店などでは「売り上げが伸びた」と恩恵を実感する声がある一方、「消費喚起には至っていない」と不満を漏らす意見もあり、販売効果をめぐって評価は割れている
商品券は7月25日に市内15か所で一斉に発売され、用意した10万セット(発行総額10億円分、額面総額12億円分)が即日完売となった市経済部商業振興課によると、これまでに約4割が使用されたという
丸井今井函館店(本町)は、発売日となった同25日の売り上げが、前年同日と比べて10%アップ担当者は「商品券を使って買い物する客の3、4割は食品を購入している」と分析する棒二森屋(若松町)は、7月25日~8月23日の売上高が前年同期比で2・4%増加商品券発売日は時計などの高額商品を購入する客もいたという
イトーヨーカドー函館店(美原1)は、商品券効果でランドセルや家電製品の売り上げが前年同期比で2割増加ホームセンター「イエローグローブ」の担当者は「家電の売れ行きが良く、消費回復の追い風になっている」と話す
一方、市内で回転すし店などを展開する「やすけフーズ」の担当者は「売り上げの回復につながるほどの商品券の利用はない」とため息をもらす函館本町市場商業協同組合の石橋良理事長は「普段必要なものに使われているだけで、効果は実感していない」とする
市内の商店街関係者は「売り上げは変わらない生活防衛の手段として日用品に商品券が使われているイメージだ」と話す
同課の柏弘樹課長は、「アンケート調査の結果などをもとに、年内に効果測定についてまとめたい」と話している(山田大輔)