函館市の工藤寿樹市長は24日の定例会見で、JR函館駅前の市有地を活用した再開発事業に関し、年明けにもプロポーザル(提案型公募)を再度実施する意向を明らかにした市側から打診している企業もあるとし、事業者の動向を見極めて公募に踏み切る考え
隣接するJR北海道の土地と合わせた約1万平方メートルは本年度、函館地区バス協会に土地を無償貸与し、観光バスの臨時駐車場として活用来年は北海道新幹線開業後イベントの会場として7~8月に使われることが決まっており、施設建設に着手できるのは同年9月以降となる
工藤市長は会見で「当面は焦って(活用し)、後々後悔したくない重要な場所であり、中途半端なものはどうなのか」と慎重な姿勢を示しながらも「私どもから打診している企業もある年明けのしかるべき時に、事業者の動向をみながらプロポーザルを実施したい」と述べた
駅前市有地をめぐってはは、大手住宅メーカーがホテルと飲食、物販の複合施設を建設する構想を市側に打診するなど、具体的な動きが出始めている同市長は「複数社から(打診が)来ているとは聞いているが、今の段階では言えない」と明言を避けた
市は2009年に策定した土地利用方針で、隣接するJR北海道の土地と合わせた約1万平方メートルを売却か賃貸とすることを定めている12年度に行った公募では地元の洋菓子製造販売業ペシェ・ミニョンが菓子工場を軸とした複合施設の整備を提案、市、JRの3者で事業協定を結んだが、建設資材高騰などが影響し、昨年5月に事業中止を決めている
また、北海道新幹線の開業予定日として来年3月26日が有力となっていることに関し、同市長は「JRから正式に話はないが、3月末の方が観光客にとっては良い環境で迎えやすい」と述べ、歓迎の意を示した(千葉卓陽)