函館市指定の伝統的建造物「旧相馬邸」(元町33)が、6月1日で公開5周年を迎えるにあたり、24日に初の無料開放が行われた大勢の来場客でにぎわい、歴史ある建物とともに数多くの所蔵資料に目を見張った
同邸は明治時代に北海道屈指の豪商として知られた相馬哲平の私邸で、1908(明治41)年に建造木造平屋、一部2階建てで、エステート企画(東出伸司社長)が空き家になっていた建物を改修し、2010年6月から一般公開を始めているbr>\n
無料開放は午前9時半の開館前から、市民や観光客が詰めかけるなど盛況来場客は函館の港を見下ろし、当時としては珍しい洋間を備えた和洋折衷の建物の隅々まで見て回った
また、江戸?明治期の探検家で「北海道」の名前を考案した松浦武四郎(1818~88年)が描いた「コロポックル(蕗(ふき)の下にいる人)の図」が初公開されたほか、普段は複製品を展示している「江差屏風」の実物もショーケース内に飾られ、来場客は東出さんやボランティアの説明に聞き入っていた
北斗市から訪れた高橋明子さん(67)は「質素ながらもいいものを残す、相馬哲平の姿勢を感じる素晴らしい建物を残そうという気持ちにも感動した」と話していた東出さん(75)は「無料開放は今後も年1回は実施したい建物を守るためのボランティアも募っていきたい」としている(千葉卓陽)