国政選挙の選挙権年齢が18歳以上へと引き下げられて未成年の有権者が初めて投票する今回の衆院選。道8区(渡島、桧山管内)に立候補した2氏も動画やインターネット交流サイト(SNS)を利用するなど、若者票取り込みを目指し、あの手この手の作戦を展開している。
無所属前職の逢坂誠二氏(58)は、自身のホームページ(HP)を10日の公示日にリニューアル。「ブレずに行動!」というキャッチフレーズを掲げ、動画で政策を伝えている。SNSのツイッターやフェイスブックでも情報を発し「反応は非常に良い」(陣営)。
一方、陣営は護憲や大間原発(青森県大間町)建設問題を訴える候補の姿勢が「必ずしも若者の心に響いていないようだ」と分析。「真面目さが足かせになっている。ただ、人気取りのようにホラを吹く訳にもいかない。ぶれないことを売りにしており、このまま貫くしかない」と話す。
自民党前職の前田一男氏(51)の陣営は、10日の公示日以降、ホームページに選挙特集サイトを新設。フェイスブックで遊説日程や演説の様子を紹介しているほか、ユーチューブに当日の演説内容の動画を1日平均5本以上投稿し、陣営は「ツイッターのフォロワー(閲覧者数)も急増している」と手応えをつかむ。
14、15の両日は大学の学園祭にも足を運び、学生と直接話して支持を訴えた。陣営は「反応は非常によく、保守的な考えの若者が多いと感じた。政治に興味のない人をSNSなどでいかに引き付けるかが課題だ」としている。
2013年の参院選から″ネット選挙〟が解禁。函館市選管によると、昨年7月にあった参院選の投票率は18歳が37・21%、19歳が31・01%となり、全市(52・90%)に比べ大きく落ち込んだ。主権者教育を行っている高校もあるため、現役高校生である18歳の方が高くなったとみられる。昨年の参院選で設置した市内4大学での期日前投票所は今回開設しなかったが、市選管は若者に期日前投票を呼び掛けるチラシ2000枚を初めて作った。市内の高校、大学、専門学校32校に配布したほか、市立函館高は全校生徒向けに350枚を配った。(衆院選取材班)