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遺愛本館、創建時復元ではなく外壁はピンク色で修復

 大規保存修理工事中の国の重要文化財「遺愛学院本館」(函館市杉並町)の外壁にピンク系の色が採用されることが決まった。20日に開かれた文化庁の審議会で決定した。1908(明治41)年の創建時の濃緑色系に戻す可能性もあったが、直近の約60年はピンクと白の塗り分けで、遺愛学院の要望通り、卒業生や市民に定着しているイメージカラーで決着した。
 同学院によると、外壁の色は何度か変更されている。完成時の白黒写真では外壁は黒っぽく見え、15(大正4)年の同窓会報には「緑色の我が校舎」と記載。100年前の20(同9)年には「濃き茶色に包まれた私の学ぶ校舎」とある。28(昭和3)年の卒業アルバムの写真は「薄い色」に見え、30(同5年)に「全校舎のペンキ塗り替え」の記録があり、この時期はクリーム色と推察される。戦後の49(同24)年に塗り替えた際もクリーム色と白で、50年代の卒業生も同色と証言。62(同37)年以降は卒業アルバムなどのカラー写真でピンク色が確認できる。
 こうした記録から創建時からの12年間が濃緑色で、8年間は茶色、クリーム色の期間は30年前後、ピンク色の期間は工事中の現在も含めて少なくとも58年続く。元町や西旭岡町の幼稚園舎も本館と合わせたピンク色で、同学院全体のイメージを形成してきた。
 一方、文化財の復元修復は可能な限り創建時の姿に戻すことが原則とされ、昨春に始まり、24年の完了を予定する本館の大規模改修工事で外壁色をどのように仕上げるか、同学院は卒業生らの意見を聞きながら要望していた。福島基輝理事長は「ほっとしました。遺愛らしい色に決まって良かった。卒業生も喜んでくれるでしょう」と話している。
 過去に市民団体「元町倶楽部・函館の色彩文化を考える会」が実施した外壁を紙やすりで円環状に削る「時層色環」の活動で得られた本館の色も同様の変遷をたどり、大手ゼネコンの大林組が1999年に発行した「季刊・大林」46号には、さまざまな外壁色を再現した本館の画像が掲載されている。(今井正一)










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