札幌市で1日にあった第50回全道ロシア語弁論大会(日本ユーラシア協会道連合会など主催)のAクラスで、ロシア極東大函館校ロシア地域学科2年の竹内のぞみさん(22)が1位に輝いた。同科2年の平原響さん(20)も2位に入り、同校初の上位独占となった。2人は「勉強の成果を出し切れた。添削などで支えてくれた先生方にも感謝したい」と話している。
全道規模ながら全国からの出場も多い大会で、2人がエントリーしたAクラスはロシア語学習歴2~3年以上が応募でき、スピーチと質疑応答、ロシア語詩朗読の3つの課題をこなす。
ロシアへの短期留学経験や、現地の大学で学ぶことができる能力を有するロシア語検定「テルキ1級」を取得するなど語学力を磨いてきた2人。優勝した竹内さんは京都府出身でクラシックバレエを幼少期からやっていた経験から、ロシアの伝説的なバレーダンサーのヴァーツラフ・ニジンスキーについてのスピーチをロシア語で直接考え、約3週間で仕上げた。
発表は納得の出来。質疑応答では自分の気持ちをうまく伝えられずに悔しさも残ったが、講評では発音の良さなどが高く評価され、目標だった優勝を果たした。「留学前は日本語で考えてからロシア語に変換するため時間が掛かっていたが、今はロシア語のみが頭に浮かんでくるようになった。いろいろな経験が自分を高められている」と実感する。
一方の平原さんは出身地・三重県の俳人、松尾芭蕉について発表した。俳句の説明や季語など専門用語をどのように紹介するかで苦戦したが、「自分の思いは全力で伝えることができた。ロシアと絡めながら地元の魅力もアピールできた」と自信をのぞかせる。
同校ではイリイン・セルゲイ校長らの指導を仰ぎながらロシア語のスペシャリストを目指して学習している。今回の経験を踏まえて、竹内さんは「テーマが壮大過ぎて悩みも大きかったが、周りの支えで何とかできた。これからはさらに内容や発音など総合的にレベルアップしたい」と意欲。次回以降で優勝を狙う平原さんも「自信を持つことはできたが、おごることなく勉強に励みたい」と意気込んだ。(小杉貴洋)