函館戸倉中学校を卒業した藤巻花菜さん(14)は、22日から東京で開かれる「第18回日本ジュニア管打楽器コンクール」(日本音楽教育文化振興会主催)のソロ部門クラリネット・中学生の部に出場する。昨年に続き2度目の挑戦で本選の切符をつかんだ藤巻さんは「自分らしく、お客さんに感動を与えられる演奏をしたい」と意欲を高めている。
コンクールは次代の音楽界を担う人材の育成を目的に、全国から小・中・高校生のトップクラスが集まる。
クラリネットを始めたのは高丘小5年の時。中学2年からは吹奏楽部に所属しながら、函館のクラリネット奏者岩平尚子さんの下で表現に磨きをかけている。
予選はCD審査で、3時間掛けて収録した音源を送った。結果はインターネットで知り、思わずうれし泣き。「悔しさをばねに1年間頑張ってきた。出場が決まって本当にうれしかった」と笑みを浮かべる。
演奏するのは「ブコリック」(ボザ作曲)。指の回りが良いという藤巻さんの武器を生かす難曲だ。伴奏は函館のピアニスト高橋セリカさん。藤巻さんは「本番直前に舞台の袖で会話をして緊張をほぐしてくれる。安心して演奏できるし、心強い存在」と全幅の信頼を寄せる。
「高い技術を持った同年代と同じ舞台に立つ数少ない機会なので楽しみ。友だちや家族、近所の人たちなど、応援してくれている人たちの期待に応えたい」と胸を躍らせる。
4月からは函館白百合学園高校に進学。「吹奏楽団に入って技術を高め、将来は岩平先生のようなクラリネット奏者になりたい」と夢を語る。(稲船優香)