学童教育の充実に努める函館市は新年度、現在開設している施設からの移転を含め、新たに函館日吉が丘、鍛神の両小学校の余裕教室を改修し、学童保育所を2カ所開設する。受け入れ枠の拡大や交通安全、防犯などの視点からも安全な居場所づくりの促進が期待される。
国は「放課後子ども総合プラン」で余裕教室の徹底活用の促進を明記。民営の保育所について、市では2003年度に東小学校を活用したのを皮切りに、余裕教室の改修に取り組んでおり、新年度予算案に関係経費約2000万円を計上した。
日吉が丘は余裕教室1室を新たに改修し、以前から同小校内で運営していた「あかねキッズクラブ日吉」を拡充するかたちになる。1教室当たりの定員は35人ほどで、2教室使うことで70人程度の受け入れが可能となる。
鍛神では、現在民家で運営する「海の子クラブ」を移転し、2教室を改修。定員は70人ほどを見込む。いずれの保育所もフローリングの張り替えや水周りの整備が必要で、学校の夏休み中の作業を終えた、2学期以降の受け入れ開始を目指す。
共働き世帯の増加による影響や母子世帯の子育てに欠かせない場であることから、在籍児童数は年々増加。本年度(4月1日現在)は1782人、小学1、2年生が930人と半数以上を占め、市内全児童数における在籍率は16・4%を数える。市は新年度過去最多となる1836人を見込んでおり、市次世代育成課は「まだまだ増える要素はある」と分析する。
学童保育所の数も2009年度に40施設を超え、05年度と比べると2倍近く伸びている。その中で学校の教室活用により運営経費から家賃が除かれるほか、騒音トラブルの解消、通常学校から保育所に通う際の交通事故の危険性を回避できる。同課は「学校側の協力を得ながら今後も余裕教室の改修を進めていきたい」としている。(蝦名達也)