函館大の2年生グループが商学実習の授業で、若者をターゲットにした路線バスの新ルートを考案し、10日、同大で函館バスの社員にプレゼンテーションした。アンケート結果を基に、若者が集うスポット付近に停留場を設定。学生の視点で利便性やビジネス展開の可能性を探った。
田中浩司教授が指導する実習の中で行われ、照井和樹さんと川道誠也さん、本市拓斗さんの3人が昨年4月から取り組みを進めてきた。
考案したルートは「アミューズメントバス(アミュバス)」と名付け、市内に点在する娯楽施設や大型店、飲食店を乗り継ぎすることなく巡回する。湯倉神社(湯川町)を発着に道道函館上磯線(産業道路)を走り、函館蔦屋書店(石川町)を通過。ボウリング場や大型スーパーなどが点在する西桔梗、北斗市七重浜を経由後、北大水産学部やJR五稜郭駅、函館競馬場などを通って終点に向かう。22カ所に停留場を設け、1周当たりの所要時間は65分と想定した。
学生はプレゼンで、函館バスの社員3人にアンケート結果やルートの概要を説明した。社員は「遊興費に使う額はどれくらいか」「居住地別ではどうか」などと質問。提案に対しては「運行上難しくはない」としながらも、他の系統との兼ね合いや運行時間帯でさらに詰めていく必要があるとした。
アンケートは中高生、大学生ら12~22歳の280人に実施。日頃遊びや外食に行く時の交通手段として函館バスの利用が42%と最多。アミュバスのようなルートがあった場合に、7割が「利用したい」と回答した。学生3人は「社員から直接話を聞けて良かった。課題を改善し、さらに良い提案をしたい」と意欲を示した。(鈴木 潤)