函館水産高校品質管理流通科3年の松原裕也君(17)が、7月26日に東京で開かれた「第14回全国水産・海洋系高校食品技能コンテスト」(全国水産高校長協会主催)で総合優勝を果たした。筆記では史上初の100点満点を達成。同校は初の総合優勝2連覇を成し遂げ、喜びに沸いている。
コンテストは全国の水産・海洋系高校で食品について学ぶ生徒が学習の成果を競う。今大会は全国10校から16人が出場。道代表として、松原君と水産食品科3年の木村美咲さん(同)の2人が書類審査を通過して大舞台に臨んだ。
筆記は、生徒が日頃受検している食品技能検定で出題される内容で、食品衛生や製造、食品流通など多岐にわたる。松原君は「3年間の総まとめで復習が大変だったが、手応えはあった。まさか満点を取れるとは」と話す。
実技は、時間内にアジのたたきを作る基本と、希釈食酢に含まれる酸を量る応用がある。基本は水産食品科、応用は品質管理流通科の教員が指導に当たった。
北海道ではアジが揚がらないため、サバやサンマなど他の魚で練習。コンテスト前1週間はアジを取り寄せてひたすらさばいた。だが、当日は新鮮なアジに「うろこの量が多くて包丁の歯が入らず、時間がかかった」と苦戦。それでも、7月から続けてきた努力が実り、合計得点でトップに立った。
松原君は快挙に「とにかく驚きでいっぱい。表彰式で最初に学校名と名前を呼ばれてびっくりした」と笑顔。木村さんも総合5位に食い込み、「水産業界への就職を目指しているので、学んだことを生かせれば」と意欲を示す。
野呂俊夫校長は「プレッシャーの中、学習の成果を発揮できたことが素晴らしい。函館水産高校の教育にも評価を頂いたと思っている。これを機に、水産高校に興味を持ってくれる中学生が増えれば」と話している。(稲船優香)