釈迦の生誕を祝う「花まつり」が12日、函館市元町の東本願寺別院で開かれた。大谷短大付属幼稚園や眞宗寺保育園など市内近郊7つの仏教系幼稚園や保育園の年長園児が色鮮やかな稚児の衣装を着て同寺院の周りを1周し、本堂では法要も執り行われた。
函館市仏教会(会長・鷲山宣裕萬年寺住職)の主催。稚児行列では、うららかな春の日差しの中を園児や教諭、保護者らが大きな行列を作り、同寺院の南門から出発。大三坂を経由し、沿道の声援も浴びながら寺院をぐるりと練り歩いた。
本堂で執り行われた大灌仏法要では、市仏教会の住職らが、釈迦は2500年以上前の旧暦4月8日に誕生したことを話し、「一つ一つの命は皆尊いのだ」という釈迦の言葉を挙げながら、市民に手を取り合って生きていくことの大切さも説いた。
法要の後半は、園児らが賛仏歌「こどもの花まつり」を大きな声で歌い上げ、それぞれの園から2人ずつの園児が代表し、釈迦の誕生時に9匹の龍が現れて甘い雨が降り注いだという伝説「甘露の法雨」に合わせて、花御堂(はなみどう)に置かれた釈迦の誕生仏にひしゃくで甘茶を注ぎ、手を合わせた。
鷲山住職は「園児たちには、稚児の衣装を着て歩いたことをこれから先絶対に忘れないでほしい。一緒に参加してくれた保護者の方々にも感謝の気持ちでいっぱい」とあいさつ。
大谷短大附属認定こども園の福藤輝良(きら)ちゃん(5)は「天気がよくてよかった。衣装を着て歩くのが楽しかった」と話していた。(柳元貴成)