世界的写真家として知られるハービー・山口さん(72)と、函館市内で写真館を営む谷杉アキラさん(54)の展覧会「POWER OF PHOTOS」が、17~19日に市地域交流まちづくりセンターで開かれる。18日には2人のトークイベントも行われ、主催者は「展覧会とトークを通じて本物に触れてほしい」としている。
横浜市でモノクロフィルム向け暗室を運営するNPO法人ザ・ダークルーム・インターナショナル(近藤宏光代表理事)の主催。SNS上にさまざまな画像があふれかえる中、「日本全国に本物の写真の力を伝えたい」と、開港5都市の一つで写真文化が伝来した函館でイベントを開くことにした。
ハービーさんは1973年から10年間ロンドンに滞在し、英国人ミュージシャンと交流。帰国後はモノクロのスナップポートレートを中心に発表し、著名アーティストとの作品も数多く手掛けながら、市井の人々の幸せを願って撮る姿勢が高く評価されている。今回は北海道開拓の記録写真を数多く残した田本研造をルーツに持ち、写真文化伝承に向けた活動を続ける谷杉さんに共感し、セッションを企画した。
ハービーさんが函館で展示を行うのは初めて。展覧会は午前11時~午後8時(最終日は午前9時~午後1時)。18日午後6時から同センターでトークイベントを行い、会場での観覧(先着18人)に加えオンラインでも配信する。谷杉さんは「写真の位置づけがあいまいになり、難しい時代になっている。写真を将来の職業にしたい若い人たちに、手掛かりになるような話ができれば」と意気込んでいる。
展覧会は観覧無料で、トークセッションは会場観覧2000円、オンライン配信は1000円=二次元コード参照。問い合わせは同団体(045・261・7654)へ。(千葉卓陽)