函館の創作凧(たこ)師として知られた故梅谷利治さん(1929~2017年)の作品展が、11日まで函館市地域交流まちづくりセンターで開かれている。代表作の立体凧「あうんの天龍」や21年の干支(えと)の丑(うし)の連凧などを展示している。9日午後2時からは梅谷さんの作品を使った凧揚げ会も予定している。
凧は、梅谷さんの旧函館東高校教員時代の教え子で、NPO法人体験塾SUMOCCA(スモッカ)代表の中田嘉明さん(63)が所蔵。梅谷さんが亡くなった後、中田さんは凧を受け継ぎ、18年の正月から凧揚げ会を開催してきた。
梅谷さんは生前、干支の新作凧をほぼ毎年のように発表。丑年は85年天牛一世から、09年の三世まで、天牛シリーズとして空を舞った。まちセンでは、天龍とともに底面が台形の四角柱状で牛の顔を表現した凧を展示。独創的な形状も楽しむことができる。
9日午後2時からの凧揚げ会は市内大町の緑の島で予定する。貸し出し用の凧も多数用意し、市民に参加を呼び掛ける。中田さんは「凧に願いを込めて、揚げてもらいたい。(梅谷さんならば)新型コロナウイルスに勝つために『うおーっ』と雄叫びを上げておはらいしたことでしょう」と話している。
まちセンは11日まで、開館時間は午前9時~午後5時。凧揚げ会は参加自由。防寒、防雪対策が必要で、荒天の場合は中止。問い合わせは中田さん(090・6697・0980)へ。(今井正一)