第13回世界に一冊だけの本・展(実行委主催)が22日、函館市地域交流まちづくりセンターで始まった。道内外、海外を含む1歳から87歳まで141人の作家が計174冊を出展。大きさや素材、物語、エッセー、写真集、絵本、図鑑など中身もさまざま。会場ですべての本を手に取って楽しむことができる。
2005年に始まり初冬の風物詩となった展示会で、1人当たりの滞在時間が長いのも特徴だ。今年も2会場で開催し、同センターでは29日までで、30日から12月6日までは函館コミュニティプラザ(Gスクエア、シエスタハコダテ内)に会場を移して開催する。実行委員代表で美術家の小宮伸二さんは「本にしては変わった形のアーティスティックなものも増えている」と話す。
来年1月に閉店となる棒二森屋の思い出をつづった渡青山さんの作品は、同店で石原裕次郎、浅丘ルリ子が出演した映画のロケに遭遇した出来事が書かれている。おおにしひろこさんの「わたし44さい 走る人になりました」は今春からウオーキングを始め、10月の北海道大沼グレートラン・ウォーク出場までの軌跡をつづった。
今回、最年少作家は1歳の男児で、勉強する兄の横で見よう見まねで落書きした作品を製本した「しゅういち1さいのせかい」。釧路短期大学からは学生が制作した手作り絵本が届いた。このほか、陶器でできた本や銅板の作品、重箱に入った本など変わった形の本も目をひく。
各テーブルには筆記用具があり、出展作家へのメッセージを書くことができる。入場無料。同センター会場は午前10時から午後5時(最終日午後1時まで)。30日からのGスクエア会場は午前10時から午後8時(最終日午後4時まで)。(今井正一)