函館港イルミナシオン映画祭実行委(米田哲平委員長)は28日、「第21回シナリオ大賞」の函館市長賞(グランプリ)に、京都市の派遣社員、緒方苑さん(31)の「夢の続きを空でみる」を選出したと発表した。準グランプリは東京都の自営業、松本稔さん(52)の「函館ハンチング」、審査員奨励賞に東京都のシステムエンジニア、村口知巳さん(41)の「雪のした」を選んだ。市長賞の緒方さんには賞金100万円、準グランプリの松本さんに賞金10万円が贈られる。表彰式は1日に開幕する同映画祭開会式(午後6時、金森ホール)で行う。
市長賞の「夢の続きを空でみる」は、主人公の女性看護師と体細胞ヒト・クローンの姉が旅先の函館で、さまざまな出来事を通して姉妹の絆を深める物語。受賞に緒方さんは「素晴らしい賞に恥じないよう今後も物語の力を信じて一層精進していきたい」とコメントした。
今年は全国から75作品が寄せられ、実行委による下読み審査で選考した10作品を荒俣宏さん(作家)、大森一樹さん(映画監督)、河井信哉さん(映画プロデューサー)の3人が今月10日に最終審査した。米田委員長は「受賞作が今後映画化されることを期待している」と話した。
同大賞は1996年度に設けられ、函館、近郊をテーマに映画化を想定したオリジナル作品をプロ、アマ問わずに募集。2013年の函館市長賞受賞作「函館珈琲」など11本が映画化、映像化されている。(鈴木 潤)
準グランプリの松本さんのコメント 函館の町に立ち、ふと父を思い出し、このシナリオを書いてみました。悔しいのでまた次回、出せたら出します。
審査員奨励賞の村口さんのコメント 雪を舞台にした物語を書きたいと思っていました。函館の地で、この物語で賞をいただいたことにこの上ない喜びを感じています。