函館市社会福祉協議会は10日、本年度のノーマライゼーション推進事業として、一般市民を対象とした事業所訪問を実施した。参加者19人が市内2カ所の福祉施設を見学し、地域福祉の現状を学んだ。
地域住民が福祉サービス事業所などへ訪問する機会を設け、職員や当事者と交流し知識や理解を深めてもらおうと毎年実施している。この日は、午前中に社会福祉法人かいせい(追分町)を訪問。障害者が通所施設でパンやお菓子などを製造販売する様子などを見学した。
午後は、はこだて療育・自立支援センター(湯川町)へ移動。同センターが
3カ所の市立障害児・者施設を統合整備し誕生した経緯や、発達障害の専門医を配置し療育体制を強化しているなどの説明を受けた後、各施設を見学。「指定就労継続支援B型事業所ワークあおば」では、利用者が段ボール製品の組み立てなどの生産活動を行っている現場で、参加者が同じ作業を体験。一見簡単な手順に見えながら、いざ挑戦してみると思うようにいかず音を上げる姿も。
松川町で在宅福祉委員を務める75歳の女性は「障害者が手際よく作業を行っている姿に驚いた。このような施設があることは知っていたが、訪問したことはなかったので、とても勉強になった。障害者への理解を深めるためにも、一般の人にも幅広く見学する機会を増やしてほしい」と話していた。(小川俊之)