矯正歯科分野における
CADCAM
今回の表題「矯正歯科分野におけるCADCAM」は、来年6月17、18日に、函館国際ホテルで開催される「第31回日本成人矯正歯科学会」のメインテーマです。歯科分野でのデジタル化は、レントゲン写真の現像から始まっております。CADCAMはコンピュータを用いて設計や生産を行う技術です。医科分野では、富士フイルムが1983年に世界で初めて発売しました。しかし歯科分野では遅れること2000年にイスラエルから、クロスフィールド社より日本へ最初に導入されました。その機械の内部を見てみたところ、メイン部品のスキャナーは東芝製でした。日本の優れた部品を他国が輸入して組み立てて、たくさんの製品が世界中で販売されています。歯科分野のCADCAMは、ドイツやアメリカが進んでおり、日本と世界との差は大きく、2~3年前よりほんの一部が保険導入されてきております。
最近の矯正歯科治療ではコンピュータの急速な発展により、マウスピース矯正と呼ばれているアライナーによる矯正歯科治療が、急速に拡大しております。10年ほど前、アメリカのインビザライン社が開発した治療法で、歯の模型をデジタルデータに変換してコンピュータで計算させ、3Dプリンターで出力。その模型からマウスピースを作成しております。マウスピースは透明ですので見栄えも良く、取り外しが可能なので歯ブラシでの清掃もしやすい、食べ物が挟まりづらくおいしく食べられるなど、いろいろな利点があります。
似たような試みは函館でも2006年頃から行われており、函館市内の総合病院所有の高性能CTで撮った生まれたばかりの赤ちゃんのデータを使い、加工ソフトz-viewでデータ加工。口の中のデータを利用して、桔梗町にある北海道工業技術センターが所有する数千万円もする3Dプリンターで型を作り、歯科の治療器具を作成しておりました。現在では、コンピュータ、CT、スキャナー、3Dプリンターが、小規模歯科診療室でも設置可能となり、マウスピース作成も可能となってきております。
(ハコラク 2022年12月号掲載)
略歴
昭和50年、岩手医科大学歯学部卒業。札幌医科大学口腔外科、北海道医療大学歯学部矯正歯科講師を経て、市立函館病院歯科口腔外科科長に着任。昭和62年みはら歯科矯正クリニック、平成8年に五稜郭むらい矯正歯科クリニックを開院した。北海道医療大学歯学部矯正歯科学講座講師、医学博士。
みはら歯科矯正クリニック
函館市美原3-1-3
☎0138-47-3163
☎0120-118276[無料通話]
http://www.kireinaha.info
■診療科目/歯科・矯正歯科
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土 9:00~12:45
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五稜郭むらい矯正歯科クリニック
函館市本町7-24 MDビル5F
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■診療科目/歯科・矯正歯科
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