アレルギー性鼻炎と花粉症
暖かい春になり日差しも心地が良い日々となってまいりましたが、花粉症をお持ちの方は憂鬱な日々を送られていると思います。花粉症は植物の花粉に対するアレルギー反応で、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみといった症状を引き起こす病気です。花粉症は正確にはアレルギー性鼻炎・結膜炎という病名で、花粉に対するアレルギーをまとめて花粉症と言います。重症になると集中力の低下や頭痛・せきなどの症状が出現することもあり、生活の質に大きな影響を及ぼします。
花粉症の原因となる植物について函館近郊の道南地方では3~4月にはスギ・ハンノキ、4~5月にはシラカバ、5~9月はイネ科植物(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなど)、8~9月にはキク科植物(ヨモギなど)が原因になることが多いとされます。そのほか、ハウスダスト(ホコリ)やダニ・イヌ・ネコの毛などに対するアレルギーもあり、これらは一年中鼻の不快な症状を引き起こしてしまいます(通年性アレルギー)。
現在は採血検査でアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を知ることもできます。治療は自分でできることとして、マスクの着用やこまめな掃除、部屋の換気、鼻の洗浄などがありますが、症状がひどい場合は飲み薬や点鼻薬の使用をおすすめします。処方箋がなくても買える薬もありますが、病院やクリニックで処方できる薬は進化しており、眠気が出にくく、より効果の高い薬を処方できます。そのほか病院でできる治療としてレーザー治療や舌下免疫療法と呼ばれる治療や、手術による治療(粘膜下下鼻甲介骨切除、後鼻神経切断術など)も行われます。また、花粉症やアレルギー性鼻炎ではなく、鼻の中の曲がり(鼻中隔彎曲症)や肥厚性鼻炎、鼻茸・副鼻腔炎(ちくのう症)などで症状が出ていることがありますので、鼻の不快な症状があれば耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
(ハコラク 2022年6月号掲載)
略歴
平成19年、旭川医科大学卒業後、同大病院、旭川厚生病院、北海道社会保険病院、釧路労災病院、日鋼記念病院、北斗病院などを経て、令和4年、共愛会病院耳鼻咽喉科部長に就任。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医。
共愛会病院
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