いつ来ても昔と変わらぬ美味しさ道外ファンも求める“函館の寿司”
銀座通りから続く路地に店を構え82年目の「祐鮨」。縄のれんをくぐると石が埋め込まれた土間風の床が広がり、一枚板の風情あるカウンター席が目を引く。三代目として寿司を握るのは吉野祐一さん。先代から受け継ぐシャリは、井戸水にコンブを入れて炊いた米を赤酢で仕上げており、ほんのりと茶色がかった艶がある。かんぴょうなどは変わらぬ自家製で、中でもたまご焼きはイトヨリダイのすり身を入れて焼き上げており、仕上がりに2時間もの手間をかける。「おいしくないと思われたら次はない。その1回を満足させること」を大切に握ってきた。カップルには2人一緒に楽しめるよう女性のシャリを小さくするなど気配りを欠かさず、地元客はもちろん、観光客の中にも根強いファンを持つ。「高級店ではないので一回来てくれれば安心してもらえると思いますよ」と気さくに話してくれた吉野さん。毎年函館バル街に参加するなど、こだわりの寿司を気軽に楽しませてくれている。
(ハコラク 2018年5月号掲載)
祐鮨
函館市宝来町22‐13
☎0138‐22‐1522
11:00~21:00
(20:30L.O)
水曜定休
P有り