極上肉で結んできた世代を越える人々の絆 両親の思いと共に守り抜く
一世紀を越える歴史を持つ宝来町の老舗「すき焼 阿さ利 本店」。その2代目店主の次男として生まれ育った石川徹さんが、「しゃぶしゃぶ 阿さ利」を創業したのは45年前のこと。会社勤めをしていた東京や大阪で、函館では珍しかった牛しゃぶのおいしさを知り開業を決意。牛肉は臭みが強いというイメージがあった時代に、松風町に小さな店を構え、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキと、厳選した黒毛和牛をメインに提供し、1985年、本町に移転する頃には高級店としてその名をはせるようになった。
今では函館にも上質な牛肉を出す店は増えたが、「肉がおいしいのはもちろん、〝仲間と楽しく食事をするならここが1番〟と選ばれる店でありたい」と語るのは2代目代表の長男・健太さん。長年東京で働いてきたが、両親が店を閉めることを考えていると知ると「創業から何十年も通って下さる方がいて、父が病に倒れた時には母が懸命に守りぬいた店。閉めるには忍びない」と6年前に店を受け継いだ。料理人として店の味を一から学び、3年前に先代の急逝を乗り越えた健太さん。何世代にも渡って多くの人が極上肉を囲み、絆を深めてきた大切な場所を一心に守っている。
(ハコラク 2019年12月号掲載)
しゃぶしゃぶ 阿さ利
函館市本町9‐24
☎0138‐56‐6371
17:00~21:30(21:00L.O)
月曜定休
喫煙可
P有り(3台ほか提携Pも)
キャッシュレス決済利用可