割烹料理の技術を生かした上品な味付け
旬の魚介料理と酒で粋に酔う
「小料理 柚子香」は四季折々の新鮮な魚介を、刺身、焼き物、煮付けなどで提供するほか、ダシからこだわった一品料理や肴を用意している。店を切り盛りする山崎順一大将は、板前歴約50年。東京の銀座や渋谷の割烹料理店で修業した後、ＪＲ渋谷駅近くで13年間割烹とフグの専門店を、台湾の台北で23年間日本料理店を経営してきたが、妻の病気療養のため２年前に函館へ帰郷した。妻を看取った後、その一流の腕が埋もれてしまうことを惜しんだ姉と妹の助力を得て、昨年６月に新店を開業。確かな技術と経験に裏打ちされた美食が客を呼び、ファンを生み出している。
看板料理は店名を冠した爽やかにユズが香る「柚子香まんじゅう」。エビを裏ごししたジャガイモで包み衣を付けて揚げた自家製まんじゅうに、一番ダシを掛けた盛り付けも美しい一品。地物のフグを自らさばいた、白身の程よい弾力も楽しい「ふぐ唐揚」、絶妙な塩加減と火加減で旨味を凝縮させた「アユの塩焼」と熟練の技が冴える料理は、甘口、辛口問わずどの酒をも引き立てる。小鉢３品に刺身、飲み物１杯が付く「晩酌セット」も人気が高い。
（ハコラク ２０２３年９月号掲載）
小料理 柚子香
函館市赤川１‐１６‐１８
☎０１３８‐７６‐１２９６
１７：００～２２：００
（２１：３０Ｌ.Ｏ）
水・第３火曜定休
禁煙 Ｐ有り
住宅街の料理店①／柚子香
「アユの塩焼」（９９０円）は、金串を打ってから、焦げて焼け落ちないようにヒレや尾に化粧塩を施し、じっくり焼き上げる。「柚子香まんじゅう」（６６０円）。「ふぐ唐揚」（１，９８０円）。「晩酌セット」（１，６５０円）の小鉢や刺身は、季節によって内容を変更する。
優しい人柄がうかがえる穏やかな口調で話す山崎大将にほれ込む人も多く、開業当時から通う常連客の１人は「大将は経験豊富で博識なので話題も尽きず、料理を味わいながら話をするのを楽しみにしている」と言う。
カウンター６席と小上がり３卓を備え、宴会にも対応。
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