函館港イルミナシオン映画祭のシナリオ大賞から製作される7本目の長編作品「自宅警備員のフェアリーテイル」のキャストオーディションが28日、市地域交流まちづくりセンターで始まった。参加した市民はメガホンを取る藤本匠監督らに作品出演への意欲をぶつけた。9月下旬に始まるロケにさまざまな役柄で参加する人を決める。
作品は、昨年度の第23回シナリオ大賞審査員特別賞の荒俣宏賞を受賞した潮喜久知さん(神奈川県)の脚本。27日に函館入りした藤本監督らは、市内の洋風建築物や住宅街などを「ロケハン」し、撮影候補地を見て回った。
物語は、古びた洋館に住む中年男性の自立と再生を描く。オーディションは、洋館に住んでいる妖精の姿を見ることができる小学生といったストーリー上重要な役をはじめ、主人公を取り巻く家族や関係者ら幅広い年代層を対象に募集し、約70人の応募があった。映画祭実行委の米田哲平実行委員長は「予想以上に多くの方に参加いただいた」と反応の良さに感謝する。
審査は29日までの2日間で実施し、藤本監督とプロデューサーを務める片嶋一貴さんが対応。参加者は自己紹介や役者経験の有無などの自己PR、劇中場面のせりふを読み、審査に臨んだ。撮影は9月25日に開始を予定している。(今井正一)